2018.11.19更新

 

虎ノ門桜法律事務所の代表弁護士伊澤大輔です。

 

中目黒にある、私のお気に入りのカフェでは、通常のコーヒーカップよりも、ふた回りくらい小さいデミタスカップで、淹れたてのコーヒーが提供されます。

 

カラフルだったり、美しい模様だったり、毎回違ったデミタスカップで出てくるのですが、最近、それを眺めているうちに、「当事務所でも、素敵なデミタスカップで、お客様をおもてなししたい!」という気持ちが強くなり、間も無く、当事務所が開設2周年を迎えるお礼の意味も込めまして、先週末、揃えてまいりました。

 

ウェッジウッドと、ヘレンドのティーカップ&デミタスカップです。

 

ご相談の後、コーヒーを飲みながら、寛いでいただければ幸いです。

 

2つのティーカップ

 

デミタス1

 

デミタス2

 

2つのデミタスカップ

投稿者: 弁護士伊澤大輔

2018.10.25更新

 

虎ノ門桜法律事務所の代表弁護士伊澤大輔です。

 

最近ご相談を受けた中で、死亡退職金の遺産性が問題になった事案がありましたので、今回は、裁判実務の傾向を整理しておきたいと思います。

 

ちなみに、「死亡退職金」は私企業等の従業員が死亡した時に支給されるもので、公務員が死亡した場合に支給されるものは「死亡退職手当」、私企業の役員が死亡したときに支給されるものは「死亡退職慰労金」と呼ばれています。

 

退職金

 

 

■私企業等の従業員の「死亡退職金」


 

 

私企業等の従業員の死亡退職金の法的性質や遺産性は、一律に決することができず、具体的な事案に応じて個別に判断する必要があります。

 

死亡退職金に関する支給規定があるか否か確認する必要があり、支給規定がある場合には、支給基準受給権者の範囲又は順位などの規定により、支給規定がない場合には、従来の支給慣行や支給の経緯等を考慮して、個別に、遺産性を検討することになります。

 

一般的に、支給規定の受給権者の範囲又は順位が、民法の遺族の範囲及び順位と異なる定めがなされている場合には、遺産性が否定されることが多いです。

 

私立の学校法人の職員の死亡退職金について、最高裁昭和60年1月31日判決は、死亡退職金の支給を受ける遺族は、職員の死亡当時、主としてその収入により生計を維持していた者でなければならないこと、第一順位は配偶者であること(内縁関係を含む)、配偶者があるとき、子は全く支給を受けないことなど、民法の規定する相続人の範囲及び順位決定の原則とは著しく異なった定め方をしていることから、遺族の生活保障を目的とし、遺族固有の権利であるとして、遺産性を否定しています。

 

 

■公務員の「死亡退職手当」


 

 

受給者固有の権利であり、遺産にはなりません(遺産分割の対象にはなりません)。

 

国家公務員退職手当法は、受給権者を遺族とし、受給権者の範囲及び順位を法定しており、受給権者の範囲及び順位は民法の定める相続人の範囲及び順位と異なっています。これは遺族の生活保障を目的としていると解され、遺産性はないとされています。

 

地方公務員に対する死亡退職手当についても、国家公務員退職手当法と同様の内容を定めているときには遺産性が否定されます(最高裁昭和58年10月14日判決)。

 

 

■私企業の役員の「死亡退職慰労金」


 

 

その遺産性は、支給規定、定款の定め、支給決議等の内容と支給の実情等に検討することになります。

 

広島高裁平成12年2月16日判決は、「死亡した会社役員に対する退職慰労金が同人の相続財産に含まれるか否かは、その支給を決定した総会決議が、同人の相続財産とする趣旨で同人の相続人を支払対象者としてなされたか否かによって決せられるところ、本件決議は、本件退職慰労金の受給者が同人の内縁の妻及び法律上の妻のいずれかであることを当然の前提としているから、同人の相続財産ということはできない。」旨判示しています。

 

 

 

投稿者: 弁護士伊澤大輔

2018.10.05更新

 

虎ノ門桜法律事務所の代表弁護士伊澤大輔です。

 

大相撲の幕内貴ノ岩が元横綱日馬富士に対し、約2413万円の損害賠償を求める訴訟を提起しました。

 

報道によれば、その内訳は、次の通りとのことです。

  

入院・治療費  約436万円

十両に転落しなければ得られたであろう給与  約148万円

懸賞金の逸失分  900万円

退職時の幕内養老年金等の減額分  172万円

巡業手当の逸失分  38万円

慰謝料  500万円

弁護士費用  約219万円

 

これに対し、日馬富士側は不調となった調停で50万円を提示したとされており、双方の金額にはかなりの開きがあります。

 

日々、損保業務等で、損害賠償事案を多く取り扱っている私としては、貴ノ岩の損害賠償請求の当否が気になりましたので、今回は、この問題について検討して参ります。

 

 

■入院・治療費


 

 

入院・治療費は、被害者が実際に支出した実費ですので、診療報酬明細書や領収証により支出したことの立証があれば、基本的には、損害賠償請求が認められます。

 

しかし、貴ノ岩の怪我は加療12日間程度の怪我だったようですので、その怪我の程度に比べ、入院・治療費として約436万円というのはあまりにも高額です。

 

損害賠償が認められる治療費は、必要かつ相当な実費の範囲に限られるところ、貴ノ岩の入院・治療費には、精神的な問題によるものや、報道陣から隠れるための任意のものも含まれていたと考えられ、その多くは傷害事件との相当因果関係がなく、損害として認められないでしょう。

 

傷害事件により精神的ダメージを受けた治療費についても認められる余地がありますが、基本的には、貴ノ岩が肉体的な怪我を治すにあたり、必要性・相当性の認められる範囲に限られます。

 

 

■逸失利益


 

 

十両に転落しなければ得られたであろう給与、懸賞金の逸失分、退職時の幕内養老年金等の減額分、巡業手当の逸失分は、いずれも逸失利益の(得べかりし利益が得られなかったことによる)損害賠償です。

 

これらについては、貴ノ岩の加療12日間程度の怪我によって、相撲をとることができなかった(休場せざるを得なかった)期間がどの程度の期間か、その休場によって十両に転落したのか等を検討することになります。

 

一般的には、治療期間中でも就労することは可能であり、治療期間以上に休業期間が認められることはありません。力士という職業の特性上、負傷によって稽古ができなかった影響は考慮されるかもしれませんが、加療12日間程度の負傷であったことからすると、十両に転落しなければ得られたであろう給与、懸賞金の逸失分による損害が認められるとしても、その割合的ごく一部が認められるに過ぎないのではないかと思料します。  

 

 

■慰謝料


 

 

入通院慰謝料は、基本的に、入通院の期間や、実通院日数をベースとして、算定されます。裁判基準において、1ヶ月の通院で28万円、2ヶ月の通院でも52万円ですので、加療12日間程度の怪我であったという貴ノ岩の慰謝料として500万円の請求は高額でしょう。

 

本件は、過失による事故ではなく、故意による傷害事件であり、その分悪質性が高いですが、それでも、上記裁判基準の何割か増し程度の増額が一般的でしょう。

 

 

■弁護士費用


 

 

不法行為等による損害賠償請求の訴訟(売買代金請求や貸金返還請求などその他の金銭請求事件では、弁護士費用の請求は認められません。)では、治療費や休業損害、慰謝料等の合計額の1割程度を弁護士費用相当の損害として請求するのが一般的です。

 

判決でも、実際の認容額の1割程度が、弁護士費用として、事件・事故と相当因果関係のある損害として認められます。

例えば、貴ノ岩の治療費や逸失利益、慰謝料が、合計200万円が妥当と判断される場合には、20万円が弁護士費用相当額の損害として認められることになります。

 

 

 

 

投稿者: 弁護士伊澤大輔

2018.09.19更新

 

虎ノ門桜法律事務所の代表弁護士伊澤大輔です。

 

当事務所エントランスに活けてある、秋の草花も彩りよく、華やかになりました。

 

秋の草花2018

 

ムラサキシキブ、

ケイトウ(ローズベリー・パフェ)、

ヒペリカム、

ハイビスカスの実、

石化柳、

オクラ、

イガナス、

ガマ

などです。

すみません、小さな赤い実と、オレンジの実の名前は忘れてしまいました。

 

今回は、一度に活けたわけではなく、私がお花屋さんの店頭で気に入った草花を、継ぎ足し、継ぎ足ししてきたら、こんな感じになりました。

 

皆様も、季節の移ろいを感じていただけたのであれば、幸いです。

 

 

投稿者: 弁護士伊澤大輔

2018.09.18更新

 

虎ノ門桜法律事務所の代表弁護士伊澤大輔です。

 

最近立て続けに、仮差押や仮処分手続の担保金の取り戻しが問題となる事件について、ご相談やご依頼がありましたので、整理をしておきます。

 

仮差押や仮処分手続では、保全執行実施の条件として、裁判官が定めた額の担保金を供託する必要がありますが、どのような場合に、その担保取消が認められるかという問題です。

 

 

■勝訴判決が確定した場合


 

 

本案訴訟において、債権者勝訴の判決が確定した場合には、担保取消が認められます。

 

例えば、建物明渡しを認めた判決が確定すれば、占有移転禁止の仮処分において提供した担保の取消が認められますし、売買代金の支払いを命じる判決が確定すれば、預貯金債権の仮差押において提供した担保の取消が認められます。

 

債権者は、被保全権利全部について本案訴訟で勝訴することが必要ですが、一部敗訴部分があっても、債務者に損害が生じる余地が稀有と認められる場合には、担保事由が消滅したものとされます。

 

 

■担保権利者の同意による場合


 

 

担保権利者(仮差押や仮処分手続きの債務者)が担保取消に同意した場合には、担保金を取り戻すことができます。

 

実務上、担保権利者本人の同意の場合には、同意書の真正な成立を証するため、同意書とともに、同意書に押印した印鑑の印鑑証明書を提出する必要があります。

 

一般的には、本案訴訟で訴訟上の和解が成立することが多く、この場合には、担保取消と、担保取消決定についての即時抗告権の放棄の条項、すなわち、「被告は、原告に対し、原告が●の仮処分命令申立事件について供託した担保(●法務局平成●年度金第●号)の取消しに同意し、その取消決定に対し抗告しない。」が入ることになります。 この場合には、印鑑証明書は必要ありません。

 

 

■権利行使の催告により同意が擬制される場合


 

 

本案訴訟提起前に、仮差押や仮処分の申立ての取り下げなどがされた場合、担保提供者の申し立てにより、裁判所は、担保権利者に対して、一定期間内に損害賠償請求権を行使すべき旨を催告します。

 

担保権利者がその期間内に権利行使をしなかった場合は、担保取消しに同意したものとみなされ、担保金の取り戻しができます。

 

もっとも、既に本案訴訟が提起されている場合には、仮差押等の取下げなど民事保全手続きの完結だけでは足りず、本案訴訟の完結が必要です。

 

 

 

投稿者: 弁護士伊澤大輔

2018.08.10更新

 

当事務所は、平成30年8月11日(土)〜14日(火)まで、夏期休業となります。

 

ご迷惑をお掛けしますが、よろしくお願いいたします。

 

虎ノ門桜法律事務所代表弁護士伊澤大輔

 

 

投稿者: 弁護士伊澤大輔

2018.07.27更新

虎ノ門桜法律事務所の代表弁護士伊澤大輔です。

 

今回は度々起きる、食品の優良誤認表示について、景品表示法上の問題点についてご説明させていただきます。

 

和牛

 

 

■優良誤認表示とは?


 

 

商品・サービスの品質、規格、その他の内容について、一般消費者に対し、実際のもの(あるいは、競争関係にある他の事業者のもの)よりも著しく優良であると誤認表示される表示を「優良誤認表示」といい、景品表示法で禁止されています(第5条1号)。

 

これに対し、商品・サービスの価格、その他の取引条件についての不当表示は、「有利誤認表示」といい、これも景品表示法で禁止されています(同条2号)。

 

 

■「品質、規格、その他の内容」とは?


 

 

「品質」とは、成分(原材料、純度、濃度、混用率、添加物の有無など)と、属性(性能、効用、安全性、衛生性、鮮度、栄養価、味、香りなど)のことです。

 

「規格」とは、例えば、JAS規格、牛乳・乳製品の規格、公正マークなど、公的又は私的機関が定めた各種の規格、等級、基準などを意味します。

 

「その他の内容」には、原産国(地)、製造方法、受賞の有無、有効期限などが含まれます。

 

 

■「一般消費者」とは?


 

 

普通の消費者、平均的な消費者という意味です。専門的な知識を持つ人や、ほとんど無知な人を基準とするものではありません。

 

なお、その商品等が老人向けのものである場合は平均的な老人が、子供向けのものである場合には平均的な子供が「一般消費者」としての基準になります。

 

 

■「著しく」とは?


 

 

その表示の誇張の程度が、社会一般に許容される程度を超えて、一般消費者による商品・サービスの選択に影響を与える場合をいいます。

その誤認がなければ顧客が誘引されることが 通常ないであろうと認められる程度に達する誇大表示であれば、これに当たります。

 

 

 

■食品に関する、実際の違反例


 

 

・実際は大部分について、松坂牛出ない和牛の肉を使用していたのにあたかも料理に松坂牛を使用しているかのような表示をしていた。

・「和牛等特色ある食品の表示に関するガイドラインについて」における和牛の定義に該当しない牛の頬肉を使用していたにもかかわらず、あたかも黒毛和牛の頬肉を使用しているいるかのような表示をしていた。

・ランチセットで、「京地鶏」「半熟卵」を使用しているかのような表示をしていたが、京地鶏の肉ではなく、ブロイラー肉を使用しており、半熟卵も使用していなかった。

・「車エビのチリソース煮」というメニューの販売が行われていたが、実際には車エビではなく、それよりも安価なブラックタイガーを使用していた。

・「島根県産地国内産サザエ貝」と表示していたにもかかわらず、実際には韓国産のサザエ貝を販売していた。

 

 

 

■違反に対する処分


 

 

・違反したことを一般消費者に周知徹底すること

・再発防止策を講ずること

・その違反行為を将来繰り返さないこと

などを内容とした「措置命令」が行われます。

 

 

また、「課徴金納付命令」が出される場合もあります。

 

課徴金の額は、対象行為に係る商品・サービスの「売上額」に3%を乗じた金額が課徴金額となります。

課徴金額が150万円未満の時は、課徴金の納付は命じられません。

また、違反事実を自主的に消費者庁長官に報告した事業者は、所定の要件を満たす場合、課徴金の2分の1が減額されます。

さらに、所定の手続きに従って、消費者に対して返金措置を行った場合には、課徴金額が減免されます。

 

 

 

 

投稿者: 弁護士伊澤大輔

2018.07.19更新

 

虎ノ門桜法律事務所の代表弁護士伊澤大輔です。

 

お中元などの配送料金について、百貨店同士が合意をし、一律値上げをしたとして、公正取引委員会が、大手5社に対し、独占禁止法違反(不当な取引制限)で、総額約1億9000万円の課徴金納付命令を出す方針を伝えた旨の報道がなされました。

 

お中元

 

■価格カルテル


 

これは、事業者が他の事業者と共同して、価格の引き上げ等について合意をし、一定の取引分野(市場)における実質的に競争を制限する「価格カルテル」と呼ばれるもので独禁法において、不正な取引制限として、禁止されています(2条6項)。 

 

価格カルテルは、数量制限カルテル、入札談合とともに、ハードコア・カルテルと呼ばれ、競争法を有するどの国でも原則として違法とされています。

 

 

■「共同して」とは


 

価格カルテルは、他の事業者と「共同して」行われる必要がありますので、他の事業者との「意思の連絡」(合意)が必要です。

 

「意思の連絡」は、

・一方の対価引上げを他方が単に認識、認容するだけでは足りませんが、

・事業者間相互で拘束し合うことを明示して合意することまでは必要でなく、

・相互に他の事業者の対価の引き上げ行為を認識して、暗黙のうちに認容することで足りる

と解されています(東芝ケミカル審決取消請求事件(差戻審))。

 

この「意思の連絡」は、全員で顔を揃える会合で行われる必要はありません。また、違反事業者の従業員間で直接に行われる必要はなく、他人を介して間接的に行われるものでも足ります。

 

 

■「競争を実質的に制限する」とは?


 

 

「価格カルテル」が成立する要件の1つ「競争を実質的に制限する」とは、競争自体が減少して、特定の事業者または事業者集団が、その意思で、ある程度自由に、価格等を左右することによって、市場を支配することができる形態が現れているか、または少なくとも現れようとする程度に至っている状態です。

 

市場を支配する程度については、一定の取引分野における競争を完全に排除し、価格等を完全に支配することまでは必要ありません。

 

一般的に、過半あるいはそれに準じる大きな市場シェアを有する事業者が競争を制限する内容の合意をすれば、「競争を実質的に制限する」と認定されます。

他方、合意をした事業者のシェアがそれほど高くない場合であっても、違反行為に参加している事業者以外の競合他社の多くがその価格設定に追随していれば、その合意が行われたことによって、「競争を実質的に制限する」と認定されることになります。

 

また、競争が実質的に制限されたというためには、合意の内容が実施に移されたことは要件ではありません。

 

続いて、「価格カルテル」の違反措置について説明させていただきます。

 

 

■課徴金納付命令


 

本件では、百貨店大手5社に対し、総額約1億9000万円の「課徴金納付命令」が出される見込みですが、これは独禁法等で定められた一定の算式(課徴金額=違反行為が行われた期間中の対象商品または役務の売上高または購入額×課徴金算定率)に従って計算された金額を国庫に納めるよう命じる行政処分です。

 

課徴金算定率は、違反行為の内容、事業者の業種(製造業等か、卸売業か、小売業か)、事業者の規模(大企業か、中小企業か)によって異なります。

 

課徴金算定率は、違反行為を繰り返した場合や、違反行為で主導的な役割を果たした場合には加算され、反対に、早期に違反行為をやめた場合には軽減されることが規定されています。

 

 

■課徴金減免制度


 

本件では、大丸松坂屋(東京)も合意に加わっていましたが、事前に違反を自主申告したため、課徴金納付命令を免れる見通しです。

 

これは、「課徴金減免制度」(リーニエンシー)によるものです。不当な取引制限に自ら関与した事業者が、その違反の内容を公取委に自主的に報告した場合には、課徴金が減免されます(7条の2)。

 

公取委の調査開始日より前に、最初にこの報告をした事業者については、課徴金が100%減免されます(課徴金納付命令が出されません)。2番目に報告した事業者の減額率は50%で、5番目までの事業者が減額の対象になりますが、3番目以下の事業者の減額率はいずれも30%です。

 

この制度は、違反行為の発見、解明を容易にし、競争を早期に回復することを目的としたものです。

 

 

■排除措置命令


 

本件において、公取委は、「排除措置命令」も出す模様とのことです。これは、違反行為を速やかに排除するよう命じる行政処分で、例えば、価格引き上げの決定の破棄、破棄したことの取引先等への周知、再発防止のための対策等が命じられます。 

 

 

 

投稿者: 弁護士伊澤大輔

2018.07.17更新

虎ノ門桜法律事務所の代表弁護士伊澤大輔です。

 

今月12日の朝日新聞朝刊に、こんな見出しの記事が掲載されました。

 

タイのタムルアン洞窟に、少年ら13人が閉じ込められた事件、唯一の大人であるコーチは教え子を危険に巻き込んでしまいましたが、タイでは、コーチを責める世論は強くないといいます。

 

洞窟

※イメージ写真です。

 


 

 

当初は、なぜ「雨期に洞窟に」との疑問の声も上がりましたが・・・はい、正直に白状します。私も、当初、この事件の一報に接した時、そういう感想を抱いた者の一人です。

 

しかし、7月2日に洞窟の奥5kmで発見され、コーチのエーカポンさんがお菓子を分けたり、大声を出さないように指示して、少年らの体力を温存させていたことがわかると、これに呼応するかのように、エーカポンさんのフェイスブックには、「これからも最高の指導者でいて」などと3万件以上のコメントが寄せられました。

 

エーカポンさんは幼くして両親を亡くし、孤児として寺で10年ほど暮らしました。成人後、夜市で小物を売ってしのぎながら、サッカーコーチの職を得た苦労人のようです。

 

とかく責任追及ばかりが議論されがちな世の中ですが、自戒の意味も込めて、ご紹介させていただきました。

 


 

 

ところで、少年らの命を繋いだ食料は、サッカー練習場近くの6畳ほどの小さいな駄菓子屋で購入されたものでした。

 

洞窟に行く前、少年2人がやってきて30袋以上のスナック菓子とペットボトルを買っていったといいます。

 

その駄菓子の70歳になる女店主カムさんは、少年らが洞窟に閉じ込められたニュースを耳にしてから、1日2回、無事に帰ってくるようにお祈りを捧げてきました。

 

このようなたくさんの心優しい人たちの想いや、努力によって、少年らは無事救出されたのですね。

 

・・・そういえば、私も小学生の頃、よく駄菓子屋に入り浸って、餅太郎や、スナッキー、蒲焼さん太郎などを買っていたことを思い出しました。何だかとても懐かしい気持ちになりました。

 

投稿者: 弁護士伊澤大輔

2018.07.13更新

 

虎ノ門桜法律事務所の代表弁護士伊澤大輔です。

 

平成30年5月25日、著作権法の一部を改正する法律案が交付されました。 これは、主に、デジタル・ネットワーク技術の進展により、新たに生まれる様々な著作物の利用ニーズに的確に対応するため、著作権者の許諾なしに、著作物を利用できる範囲を拡大し、著作物の利用をより円滑に行えるようにすることを目的としたものです。

著作権法 

 

 

■0 はじめに


  

原則として、他人の著作物を利用(例えば、コピーしたり、インターネットで送信したりする行為)するには、著作権者の許諾が必要です。

ただし、例外的に、法律で定める一定の場合には、著作権者の権利が制限され、許諾を得なくても、自由に利用することができます。今回の法改正により、以下の通り、その範囲が拡大されたのです。

 

 

■1 技術の開発又は実用化のための試験の用に供するための利用


 

公表された著作物は、著作物の録音、録画その他の利用に係る技術の開発又は実用化のための試験の用に供する場合には、その必要と認められる限度において、利用することができるようになります(新著作権法第30条の4)。

試験の用に供する場合に限らず、その他の当該著作物に表現された思想又は感情を自ら享受し又は他人に享受させることを目的としない場合も同様です。

 

 

■2 情報検索のための利用


 

著作物の市場に悪影響を及ぼさないビッグデータを活用したサービスのため、著作物の利用について、著作権者の許諾なく行えるようになります(同法第47条の6)。

例えば、書籍等の著作物の所在を検索するサービスについて、その結果とともに、書籍の表紙やその内容の一部を表示することが可能となります。

イノべーションの創出を促進するため、情報通信技術の進展に伴い将来新たな著作物の利用方法が生まれた場合にも柔軟に対応できるよう、ある程度抽象的に定めた規定となっています。

 

 

■3 情報解析のための利用


 

コンピューターによる情報解析(多数の著作物その他の大量の情報から、当該情報を構成する言語、音、影像その他の要素に係る情報を抽出し、比較、分類その他の統計的な解析を行うこと)を行うことを目的とする場合には、必要と認められる限度において、記録媒体への記録又は翻案を行うことかができます(同法第47条の7)。

例えば、大量の論文データを収集し、学生の論文と照合して盗用がないかチェックし、盗用箇所の原典の一部分を表示するなど、論文盗用の有無を検証するために利用することができるようになります。

 

 

■4 教育の情報化における利用


 

ICTの活用により教育の質の向上を図るため、学校等の授業や予習・復習用に、教師が他人の著作物を用いて作成した教材を、ネットワークを通じて生徒の端末に送信する行為等について、著作権者の許諾なく行えるようになります(同法第35条)。

現行法では、ここの著作権者の許諾とライセンス料の支払いが必要でしたが、これが不要となります。

ただし、著作権者に対し、補償金の支払いは必要となります。

 

 

■5 障害者の情報アクセス機会の充実


 

現行法では、視覚障害者や発達障害等で著作物を視覚的に認識できない者のみが対象になっている規定を見直し、肢体不自由等を含め、障害によって書籍を読むことが困難な者のためにも、録音図書の作成等を許諾なく行えるようにすります(同法第37条)。

これは、マラケシュ条約(視覚障害者や判読に障害のある者の著作物の利用機会を促進するための条約)の締結に向けられたものです。

 

 

■6 美術品の展示作品の解説等における利用


 

美術の著作物又は写真の著作物を原作品により公に展示する者は、当該著作物の解説又は紹介をすることを目的とする場合には、その必要と認められる限度において、当該著作物を複製し、上映し、又は 自動公衆送信を行うこと等ができるようになります (同法第47条関係)。

現行法では、小冊子(紙媒体)への掲載のみ、許諾不要でしたが、例えば、タブレット(デジタル媒体)での解説や紹介が可能になります。

 

 

■7 施行日


 

平成31年1月1日からの施行です。

ただし、「4 教育の情報化における利用」については、公布の日から3年を超えない範囲内において政令で定める日とされています。

 

 

 

 

投稿者: 弁護士伊澤大輔

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