2017.10.02更新

 

虎ノ門桜法律事務所の代表弁護士伊澤大輔です。

 

神谷町周辺には外資系企業が多いからでしょうか。当事務所では、時々、ご夫婦の一方が外国人である事案について、一方の配偶者である日本人の方、あるいは外国人の方から、離婚等のご相談を受けることがあります。

 

そこで、今回は、夫婦の双方ないし一方が外国人である場合の離婚等に関する、国際裁判管轄や準拠法について、基礎知識をご説明させていただきます。

 


 

 

●国際裁判管轄

 

まず、そもそも我が国の裁判所で事件を扱うことができるかという国際裁判管轄が問題になります。渉外離婚の場合の国際裁判管轄に関しては、確立した国際的法規範がなく、日本にも明文規定が存在しないため、国際民事訴訟法上の基本理念である条理に基づいて判断することになります。

この点については、最高裁判例により、次のように理解されています。

 

1 離婚   

 ⑴ 夫婦の双方が外国人の場合

   原則として、被告の住所地が国際裁判管轄となります。

   例外として、以下のような場合には、原告の住所地にも国際裁判管轄が認められています。

    ①原告が被告によって遺棄された場合(被告が原告を遺棄して出国したような場合)

    ②被告が行方不明となっている場合(3年間が一応の目安とされています)

    ③その他これに準ずる場合

 

 ⑵ 夫婦の一方ないし双方が日本人の場合

   原則として、被告の住所地が国際裁判管轄となります。

   例外的に、以下のような場合には、日本に国際裁判管轄が認められます。

    ①原告住所地が日本にあり、被告が行方不明である場合

    ②最終の婚姻共同生活地が日本であり、被告が原告を日本で遺棄した場合

    ③被告の住所地での裁判が不可能であったり、当該裁判が日本で承認されない可能性が高い場合

 

2 親権者の指定、財産分与、離婚に関する慰謝料、子の監護に関する処分   

  離婚の国際管轄によります。

 

 

 

 


 

●準拠法

 

続いて、外国法が適用されるのか、日本法が適用されるのかという準拠法の問題ですが、

 

1 離婚  

  夫婦の一方が日本に常居所を有する日本人であるときは、日本法によります。

  それ以外の場合、    

   ①夫婦の本国法が同一であるときはその法によります。

   ②その法がない場合において、夫婦の常居所地法が同一であるときはその法によります。

   ③そのいずれの法もないときは夫婦に最も密接な関係がある地の法によります。

 

2 親権者の指定    

  子の本国法が、父又は母の本国法と同一である場合には、子の本国法によります。

  その他の場合には子の常居所地法によります。

 

3 養育費    

   原則として、扶養権利者の常居所地法によります。

 

4 慰謝料    

  離婚の準拠法によります。  

 

5 財産分与

  離婚の準拠法によります。

 

 

 

 

投稿者: 弁護士伊澤大輔