近隣トラブル

Neighboring trouble

近隣住民との間で、こんなトラブルはありませんか?

上の階の子供の走り回る音や、隣室のペットの鳴き声がうるさい。
上の階からの漏水により、衣類や書籍、パソコン、家電製品等が被害を被ったので、損害賠償請求したい。
近くにできた飲食店の悪臭に辟易としている。
隣地との境界について争いがある。
囲まれている他人の土地について、自動車での通行を認めてほしい。

近隣トラブルの主なケース

Case1

漏水事故

漏水事故は、その原因が何かによって損害賠償請求の相手方が異なります。 例えば、上階の住民が蛇口を閉め忘れて、階下への漏水が生じたような場合、上階の住民に対し、不法行為(民法709条)に基づき、損害賠償請求することはできますが、排水口(ヘアーキャッチ)の目詰まりがあったとしても、それは、取り外しできるもので土地工作物とはいえず、建物の所有者に対し、工作物責任(同法717条)に基づく、損害賠償請求をすることはできません。

また、給排水管の腐食や詰まりが漏水の原因の場合には、その漏水箇所によって異なります。漏水を起こした給排水管が専有部分内に存在する場合にはその専有部分の区分所有者が、共用部分に存在する場合には管理組合が、それぞれ工作物責任に基づき、損害賠償責任を負います。漏水が発生した給排水管が専有部分に該当するか、共用部分に該当するかについては、管理規約等に規定されていない場合、その給排水管が設置された場所、機能、点検、清掃、修理等の管理方法及び建物全体の排水との関連などを総合的に考慮して判断されることになります。

したがって、漏水事故による損害賠償請求をするには、その原因や給排水管の漏水箇所の特定をした上で、法的観点からの検討を必要とします。

Case2

境界確定の立証方法

書証

境界確定訴訟において、文書による立証方法としては、地図、測量図、土地登記事項証明書、公図、古文書、古地図、写真、空中写真等が挙げられます。地図により地形や記入された境界線を、土地登記事項証明書により地番の特定と公募面積を、公図により各土地のおおよその位置関係、境界線の形状を、写真により境界標識の存在や形状、占有状態を、古文書により境界標設置の経緯、境界に関する合意の有無を、それぞれ立証することになります。

その他の立証方法

証人尋問や当事者尋問、裁判官の現地調査による検証、専門家により土地の実測面積や林相を明らかにする鑑定があります。

Case3

囲繞地の自動車通行権

判例は、自動車による通行権の成否及びその具体的内容について、「他の土地について自動車による通行を認める必要性、周辺の土地の状況、自動車による通行を前提とする210条通行権が認められることにより他の土地の所有者が被る不利益等の諸事情を総合考慮して判断すべきである。」としています(最高裁平成18年3月16日判決)。

そして、その差戻審は、墓地経営のため自動車を使用する必要性があること、袋地所有者が自動車による通行ができないことを知りながら、土地を取得したものとはいえないこと、周辺住民が被る不利益は、自動車の通行の必要性を否定すべき程度の不利益ではないこと等を理由として、自動車での通行券を認めています(東京高裁平成19年9月13日)。

他方、簡易舗装された通路について、舗装は元々農業用で耐久性が弱いこと、行き違いができないこと、通路には農機具が置かれることも多いこと、駐車場は別に容易に確保できることなどを理由として、自動車による通行権を否定した裁判例(大阪地裁岸和田支部平成9年11月20日判決)も多数存在します。

このように、自動車での通行権が認められるか否かは、ケースバイケースであり、個別の具体的事情を基に、裁判例を分析する必要があります。

Q&A

Q

隣人の出す騒音に悩まされています。どのような対処法がありますか?

A

隣人に対する直接的な法的手段としては、その騒音が通常の生活音にとどまらず、社会生活上我慢すべき限度(受忍限度)を越えたものである場合には、損害賠償請求や差止請求をするという方法が考えられます。受忍限度を越えているか否かは、一般人の感覚に基づき、騒音の大きさや頻度、時間帯、継続的なものか、騒音防止対策が講じられているか否かを総合的に考慮して判断されます。
また、賃貸マンションの場合、賃貸人や管理会社に事情を説明し、隣人に対し繰り返し注意してもらい、それでも改善されず、受忍限度を越えた騒音の場合には、隣人との賃貸借契約を解除してもらうようはたらきかける方法も考えられます。
さらに、受忍限度を越えているか否かは直ちに判断がつかないが、分譲マンションにおいて、既に騒音(例えば、楽器演奏の時間帯制限)について規約で定められており、その規約には明らかに違反しているような場合には、区分所有者の共同の利益に反する行為として、集会の決議により、差止請求をするということも考えられます。